牙崎漣に狂わされた話

頭が熱い。高熱を出した次の日、ベッドから抜け出して階段を降りる時の浮遊感のような、ぐらぐらと脳を揺らされているような感覚に近い。ワイン3杯目。徹夜明けの満員電車。そうしたどこか現実味がないような奇妙な高揚感に苛まれて、ついに1年が経った。こ…